使い物になるのか?建設キャリアアップシステム

おはようございます!ペンキ書士アダチです。
いきなりですがアナタは「建設キャリアアップシステム」という言葉を聞いたことはありますか?
もうすぐ登録がスタートする、インターネットやコンピューターのシステムを利用して、最終的には建設技能者や事業所の処遇を改善していこうというモノです。
建設キャリアアップシステムとはどのようなシステムなのか
制度の目的
現在建設業には様々な問題が山積しています。
その中でも特に深刻なものが人材不足、若い人材が入ってこない。
その理由は何なのか?
やはり建設業が若者にとって魅力がないことが大きな要因のひとつで、特に賃金が他産業に比べて低めなのが問題です。
何で賃金が上がらないのか?
建設業界は古くからの慣習が色濃く残り新しいことを取り入れるのが苦手な業界。
昔ながらの働き方で、日給月給が当たり前、仕事も見て覚えろ!
出面(でづら:出勤簿のこと)は親方がもちろん記録しているが、自分でも記録していないと間違いが起きるなんてよくある話。
残念な会社に入ってしまうと、仕事もまともに教えてもらえず他の会社に応援ばかり行かされ日当ピンハネの餌食に・・・
若年層の入職を進めるためには、他産業と比べて生涯を通じて魅力的な職業、産業であることを目に見える形で示していくことが大切です。
そこで、現場での経験、資格などを見える化して公正な評価ができるようにして適正な賃金、工事の品質アップ、現場効率化などを目指します。
これが建設キャリアアップシステムです。
期待される機能・効果
技能者の処遇改善
- システムに記録される就業履歴や保有資格を活用し、技能者をレベル分けする能力評価基準を採用予定。
- 専門工事会社の施工能力を見える化して、良い職人を育て雇用する会社に工事の発注が行きやすくする。
現場管理の効率化
- 社会保険加入の確認の効率化。
- 作業員名簿記入の手間を省くことができる。
- 建退共関係事務の効率化。
開始までのスケジュール
平成30年秋の運用開始を目指してシステムの開発をしております。(下記、開発スケジュールを参照)
建設キャリアアップシステムへの登録者は運用開始後1年で約100万人、運用開始後5年を目途にすべての技能者の登録を目指すとされております。
(写真:すべて一般財団法人建設業振興基金建設キャリアアップシステムHPより)
ペンキ書士が考える建設キャリアアップシステムの今後
効率化に関して
現場にて
建設業界は今までがアナログ過ぎたので、これで効率化される部分はかなりあるかと思います。
朝現場に入り、朝礼前にカードを「ピッ!」
まずこれで新規入場情報、建退共印紙貼り付け完了。
これだけでも時間短縮になります。
朝礼後の新規入場者に対する注意説明、講習が無くなる訳ではないでしょうが。
この注意説明や講習も前日までにネットで受けておくなどの形にしたらもっと効率化はされるだろうけどなぁ。
動画を見ていないと現場に入れないとか(;´Д`)
現場監督たちも管理はかなり楽になるでしょうね。
いちいち各技能者に手書きで社会保険情報などを書いてもらい、本当に加入しているか保険証の写しを添付したり。
この会社は今までどんな施工実績があるのか。
カードの中からこれらの情報が一目でわかるようになり監督たちも現場の管理に集中できるように。
ある会社の採用面接にて
社長「初めまして!今日はわが社によくぞお越しくださいました。早速ですが、キャリアアップカードを見せてください。」
若者「はい、よろしくお願いします。」
社長「お~~いろいろな現場経験されてますねぇ。こんな難しい資格も持って、すばらしい!よし採用!!」
となるかもしれませんね。
建設業許可にかかわること
建設業許可の担当窓口がこのシステムを見られるようになれば、許可申請時にはかなり楽になるかも!?
今現在、実務経験や社会保険加入状況を証明するにはたくさんの書類が必要になります。
県にもよりますが、実務経験を10年分証明しようとしたら各年ずつ注文書を探し出したりとか。
社会保険・雇用保険だったら、加入時の書類や直近の領収書を用意したり。
これらが無くなれば行政書士も役所もずいぶん効率よくなるでしょう。
さらにもしかしたら経営事項審査で加点ポイントになるかも?
懸念点
まずは公共工事やゼネコンの現場なんかに導入されるでしょう。
これらの現場ばかり入っている業者はデータが蓄積されて使い勝手もいいかもしれません。
しかし!!
元請事業者が工事を始めるときに現場をシステムに登録するらしいけど、民間工事で規模の小さい現場ではどこまで浸透するのか?
小さい工事ばかりを行う地元の専門工事業者なんかはシステムに参加できないんじゃないか?
そんなに高くはないけど費用もかかるし。
「わざわざお金払ってまでめんどくさい!」
なんて声も聞こえてきそうですね。
こちらパンフレットになります。費用など参考にしてください。
建設キャリアアップシステム概要
建設キャリアアップシステム事業者編
あと、最大の目的である技能の公正な評価については、どこまで正確な評価ができるのか疑問が残ります。
が、期待も込めて実際に私ペンキ書士が実証していきたいと思います。
システム登録開始が4月から。
建設業許可を担当したお客様などから塗装の仕事を頂くことも増えてきたため、現場に入ることも多くなってきました。
そこで実際に使ってみてメリットデメリットすべて暴いていってやろうと計画中!
楽しみにしていてください。
最後までお読みいただきありがとうございました、今日も一日ご安全に!
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